今月(2/3~3/4)は庚寅月です。
金性で陽の十干「庚(こうきん)」と、
木性で陽の十二支「寅(とらぼく)」が
組み合わさった干支です。
庚は鉄剛金、岩石、刀などを表し、
寅は初春の樹木を表します。
そのため、庚寅は春の岩石、
それも切り株の上にのった大きな岩というイメージです。
庚寅月のポイントは以下の通りです。
◆夢をもちつつ現実に立脚したリーダーに
今月は、自分の夢を追い求めたり、
自分の理想を築き上げたくなる月となります。
今まで夢や理想など思い描いてこなかった、という方も
「私が本当にやりたいことは?」
「私にとって理想的な生活とは?」といった
大きな問いを持ってみてはいかがでしょうか?
庚寅のエネルギーが夢や理想を描く手助け
をしてくれるかもしれません。
夢や理想は生きる上でパワーになり、
生きていく原動力、そのものになることもあります。
どうせ夢や理想を描くなら、
自分にとっても、身の回りの人にとっても、
(もっと言うと、世界にとっても)
力や栄養になる夢を描いてみるといいですね。
ただし、それ自体はとても素敵なことですが、
現実的な壁に直面すると、
悩みや苦しみが生まれてくるのもひとつの真実です。
夢や理想を描いたとき、何故か、
自分自身の欠点や負の部分といった見たくないものや、
現実の壁や障害が現れてくるものなのです。
そんなとき、大きすぎる夢や理想だけを追い求めてしまうと、
現実離れしてしまうことにもなりかねません。
まずは、どんな自分でも、どんな状況でも、
事実として受け容れる、現実を受容れることから始めましょう。
どんな夢や理想も、ただ今、現在、目の前の、
この一歩からスタートします。
夢や理想に向かって、今、「できること」に集中するのです。
たとえ、それがとても小さな事であっても。
それを毎日、コツコツと積み上げていくのです。
そんな実直なあなたに、
ついていきたいと思う人が現れるかもしれません。
応援してくれたり、手助けしてくれたり、
多くの人が巻き込まれてくるかもしれません。
あなたが先陣を切って、新しい何かを始めるリーダーになる、
そんなエネルギーも今月は持ち合わせています。
◆ピンチの後にチャンスあり
庚寅月は、切り株の上に大きな岩が乗っている状態です。
自然界で、そのような状態は不安定で、
樹木として真っすぐに伸びていくことは難しいと想像できます。
実は、この学問では、不安定は悪いと考えることはありません。
不安定な状態を、「ただ不安定なだけである」と説いています。
安定・不安定を「良い・悪い」では考えない、ということです。
不安定な状態は、ただ、そういう特徴があるというだけで、
善し悪しでは決してないのです。
例えば、二輪車は三輪車より不安定ですが、スピードは速いのです。
自転車はこぎ続けるからこそ、バランスをとることができます。
不安定な状況では立ち止まって考えこんではいけません。
不安定さが怖くなり、心配が増してしまいます。
すばやく決断して、動き続けることで、バランスがとれるのです。
そして、庚寅月は不安定な状況ではあるのですが、
どんなに葛藤しても、どんなに追い詰められても、
最後に活路を見出せるという特徴があります。
どのような最低最悪な状況にあっても、
努力が実を結び、最後には救いの手が差し伸べられるのも庚寅なのです。
どんなに不安定な状況で、どんな障壁があろうとも、
焦らず腐らず諦めず、一歩一歩、目の前の「できること」
をコツコツと積み上げていく方は、最後には笑うことができるでしょう。
◆鋭さと靭性(じんせい)を持つ刀となれ
庚寅月は、その場で何でもできてしまう聡明さと器用さが発揮されます。
ただ、その聡明さは、自己研鑽の結果としての聡明さなのです。
改めて、庚寅の「庚」は鉄剛金、岩石、刀などを表します。
それは、刀鍛冶がすぐれた日本刀を生み出すために、
鋼を熱し、叩き、折り返し鍛錬を重ねることで不純物を取り除くように、
私達ももまた己を律し、筋を通し、礼節を重んじることで、
エゴという不純物を叩き出し、
鋭さと硬さと粘り強さ(靭性)を帯びた一振りの刀となるのです。
天のエネルギーを宿す刀が切り裂くのは、
自己の鬱屈した見方や考え方であり弱さです。
そのような鋭い刀を自分の内側に持つようになる、
そんな自己研鑽のチャンスの月とも解釈できます。
以上、庚寅月のみで見たポイントです。
ご自身の天中殺や運気など、
個人の宿命によってテーマは変わってきますが、
これらを心に置いてより良く生きる在り方の参考にしていただけると幸いです。