【コーチング事例①】比喩表現のダイナミックさ

 

クライアント様の許可を得て、個人情報の守秘義務を遵守し、

出来る範囲でコーチングの事例を紹介していきたいと思います。

 

一回目の今日は「比喩表現のダイナミックさ」です。

 

比喩表現、というとどんなことを思い出すでしょう?

短歌や俳句、ポエム(詩)などが浮かんでくるかもしれません。

 

実は、コーチングでは比喩表現を良く使います。

 

比喩表現を使うことで、現実から一歩引いて、

俯瞰して冷静に現実を見られる、といったメリットがあります。

 

そういったメリットがありながらも、

比喩表現は、コーチングが苦手という人の理由のひとつでもあります。

 

おそらく、現実離れしていて、

地に足が着いていないように感じるのかもしれません。

 

比喩表現を現実に落とす、というのは、

コーチングの大事なポイントでもあるわけです。

 

ここからは、実際のコーチングの流れを記載していきます。

 

クライアントは30代女性で数人のメンバーを持つ現場リーダーです。

最近、チームメンバーとの関係がうまくいっていない、というのがテーマです。

以下、ク)クライアント、コ)コーチである私、と表記します。

 

 

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コ)メンバーとうまくいっていないとは、具体的にはどんな状況ですか?

 

ク)なんか私だけが頑張っていて、振り返ったら誰も着いてきてないように感じる、というか、、、

 

コ)いつのまにか一人で進んでた、ような?

 

ク)そうですね。振り返ったら、随分遠く、後ろの方にメンバーがいた、

 という感じで、私もつい、イライラしてしまいます。

 

コ)イライラしてしまうと、何も言ったりしなくても、みんなが引いていく、

気付いたら○○さんだけが頑張っているという感じですか?

 

ク)いや、つい口も出していると思います。

 

コ)針でチクチク刺すように口を出してしまいますか?

 

ク)いや、もっと強いもの、刀とかナイフとか持っていそうです。

 

コ)その刀とかナイフをどんな風に使っていますか?

 

ク)たぶん、メンバーに向けている、というよりも、

  進んでいく道が荒れていて、雑草とかがすごく生えていて、

  それをかき分けるのに、必要な感じです。

 

コ)その雑草等の道をさえぎるものは何なんでしょう?

 

ク)組織のしがらみ、上司やお客様との交渉、前に進むための調整の類いでしょうか。

 

コ)そういったことと戦っていたんですね。刀をメンバーに向けていたわけではなくて。

 

ク)でも、きっと刀を持ってる、というだけで怖がられてると思うんですよね。

  だからといって、刀は捨てられない。戦う相手が多くて。どうしたら良いんだろう。

 

コ)メンバーとうまくいっているときもありましたよね?

  上手くいっているときは、今とどんな風に違いますか?

 

ク)まず、刀は持ってませんでした。

  もっと、優しいもの。お菓子とかパンとかが入ったカゴを持って、

  みんなに配っている感じです。

 

コ)配っているお菓子とかパンというのは何ですか?

 

ク)実際に、お疲れ様の気持ちを込めて、お菓子を差し入れしたりしてました。

  それだけじゃなくて、ねぎらいの言葉をかけたり、褒めたり、感謝を伝えたり、

  そんなことをしてる感じですね。

 

コ)刀の代わりにカゴを持つというのはどうですか?

 

ク)(しばらく考えてから)それは難しいです。戦わなきゃいけないから。

 

コ)刀は捨てられないんですね。両方持ったままでいるとどうなりますか?

 

ク)今、まさにそんな感じです!!私、こわい人になってますね!!

 

コ)どうしたいですか?

 

ク)刀は捨てたいけど、持ってないと不安だし、どうしましょう。

 

コ)なにか他の物に変えてみるというのはどうでしょうか?

 

ク)(しばらく考えてから)なんか、旗、というのが浮かんできました。

  バスガイドさんが持っているような。

 

コ)旗を持っていると、メンバーの反応はどんな風に違いますか?

 

ク)まず、こわくはないと思います。それから、着いていかなきゃ、って思いますね。

  時々、お菓子とかパンとかもらえて嬉しい。

 

コ)遠足みたいに楽しくなりましたね。

 

ク)遠足!!良いですね。でも、雑草はどうやって除去すれば良いのだろう。

 

コ)そもそも雑草って、刀を振り回すほどたくさん生えているんですか?

 

ク)以前よりは少なくなってますけど、進んでいくためにはかき分けないといけないな、と。

 

コ)旗ではできない?

 

ク)いや、雑草(しがらみ)をかき分けることも一部のメンバーとなら一緒にできるかもしれません。

  旗で、できると思います。

 

コ)旗でやる、というのは、具体的にはどういうことですか?

 

ク)旗は道しるべというか、ゴールを目指すための目印ですが、

  ときには指示もできるんです。スポーツの審判が持っているような。

  だから、雑草(しがらみ)をかき分けるのも、

周りの人に手伝ってもらうようお願いする、というのは出来ると思います。

 

コ)最初は一人でグングン進んでいたのが、随分変わりましたね。

 

ク)本当ですね。もっと周りに頼ればいいんですね!!遠足みたいに楽しみになってきました!

 

 

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比喩表現を使うことで、言いにくいことを表現しやすくなるのはもちろんですが、

思いもよらないような、解決の糸口がつかめることがあります。

 

そこに比喩表現のダイナミックさがあるわけです。

 

ポイントは、比喩表現を使ったあと、必ず現実に落としていくことです。

 

長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

 

感謝を込めて

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