【コーチング事例③】リーダシップは変化する

 

 

クライアント様の許可を得て、個人情報の守秘義務を遵守し、

出来る範囲でコーチングの事例を紹介していきたいと思います。

 

三回目の今日は「リーダーシップは変化する」です。

 

リーダシップは変化する、とはどういうことなんでしょうか?

逆に言うと、リーダーシップって固定化されているものなの?

 

色々な疑問が湧き上がりそうですね。

 

クライアント様は、ある旧態依然の大手企業で支社長を務める40代の女性管理職です。

「リーダーシップは変化する」とは、どういうことなのか、

早速、コーチング事例を見ていきましょう。

この事例は実際のコーチングを一部抜粋したものです。

以下より、ク)はクライアント、コ)はコーチの略称になります。

 

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ク)最近、本社の会議に行くと、今までちょっと違った見方をしているんですよね。

コ)具体的にはどういうことですか?

ク)前回は、たまたま窓側の一番後ろに座ったんですけど、そこが本当に居心地良くて。

コ)学生時代もその席は人気でしたね。

ク)そうそう。そこで窓の外眺める、っていうんじゃなくて、みんなの背中を見てるのが心地よくて。

コ)あ~、なんか分かる気がします。どんなことを観察してるんですか?

ク)観察、、、?そっか、私、観察してたんですね。確かに観察してましたね。

  そうですね。この会議に参加しているメンバーを見て、そこから会議の目的を想像したり、

  誰かが指されて、意見を言うときなんかは「そういう答えなんだ~。」って、聞いてますね。

コ)なんか、ちょっと距離がある感じですね?

ク)そうなんですよ!!昔は、どんな会議でも前の方の席に座って、積極的に参加してる感じだったんです。

  でも、今は、それじゃないな、って思ってるんです。

コ)ちなみに以前はどうだったんですか?もう少し詳しく話してくれませんか?

ク)だから、前の方に座って、自分の意見を発表したり、質問したり、、、良く手を上げてましたよね。

コ)その頃の自分を思い出すと、どんな気持ちがします?

ク)あああ、頑張ってるな~。一生懸命だったな~、って思いますよね。

コ)今は冷めちゃった、ってことですか?

ク)いや、冷めたという感じではないんです。

変わらず会社のことは好きだし、もっと良くしていきたい気持ちはあるんですよね。

コ)それで言うと、私も○○さんから以前とは違ったエネルギーを感じますね。

  以前はもっと、チームのため、とか、会社のため、と熱く語ってた感じがありました。

ク)そうなんですよ!!もっと熱かったですよね。昔は。

  メンバーが可愛いかったし、メンバーを守らなきゃ、って頑張ってた。

  そういう風にはなってないですね。やっぱり、なんか冷めちゃったのかな。

コ)いや、今の話からは、冷めた、という感じはしないです。

  確かに以前はメンバーを大切にして、チームで協調し合って、

チームで目標達成するのが○○さんのリーダーシップスタイルでしたよね。

  今の話では、もっとこう、距離を置いて、冷静に見ている、という感じかな。

ク)そう言ってもらって良かった。

昔のメンバー愛とか愛社精神みたいなものがなくなったのかな、って焦ることもあって。

  でも、会社もメンバーも嫌いになったわけではないですから。

コ)ご自身では、どうなんですか?どんな風に変化している感じ?

ク)さっき言ってもらったように、距離を置いてるんですよね。

  みんなが発言している内容をしっかり聞いています。

  以前は、自分が何を言うか、で頭がいっぱいだった時もありましたけど(笑)

コ)距離を置いて、何を見ていますか?

ク)この人が言わんとしていることは何なんだろう、この発言の意図は何だろう、

  どんな背景があって発言しているんだろう、とか考えています。

コ)より深く理解しようとしていますね。

ク)そうですね!なんで、この発言になるのか、が見えてきちゃうんですよね。

そうしてると、「あ~、やっぱりサラリーマンっぽい意見だな~」って思っちゃうこともあります。

コ)逆もあります?

ク)う~ん、少ないですけど、「あっ、この人、本当に自分の意見を言ってるな。」という人も分かる。

コ)そういう人と仕事したい、と思ってません。

ク)あっ、分かります?そうなんですよね。仲間、見つけた!って思っちゃう!

コ)それも以前と違って感じますね?

ク)確かにそうですね!会社とか会議の渦の中のど真ん中にいましたから。

コ)渦の中にいると、周りが見えないですよね。洗濯機の中にいるみたいな感じ?

ク)まったくその通りですね。洗濯機まではいかないですけど。

コ)今の状態、距離を置いて、より見えてくる世界は他にどんな変化がありますか?

ク)会社の意図もより深く理解しようとしていますよね。 

これからの世界に、何を提供しようとしているのか、と。

コ)すごく鋭い見方をしていますね。ですが、ともすると、会社側からは「斜に構えた人」になりかねないですね。

ク)いや、本当に。そうなんですよ。だから、悩んじゃってるんですけどね。

コ)で、実際は斜に構えた人ではなくて、その状態をどんな風に生かしたいですか?

ク)う~ん、そうなんですよね。色々と見えるようになってるんです。落ち着いて。

  さっき言ったことですけど、自分の言葉で発言している人とか繋がりたいな、って思いますね。

コ)他にもありますか?

ク)いや、実は本当のところで言うと、会社側のメッセージが伝わってこないな、

っていうのも感じちゃうんです。聞いている人たちが納得していない、よく分かっていない、のも感じる。

以前はどんなメッセージであっても、会社が言ってるんだから、で動けたんですけどね。

コ)それに気付いて、どうしたいと思ってますか?

ク)いや~、会社側にハッキリと提言しなきゃいけないんでしょうね。本当は。こわいですけど。

コ)それができたら、どうなりますか?

ク)生意気な奴と思われるか、ありがたいと思われるか、まぁ前者でしょうね。

コ)本当にそうでしょうか?本質を突いてくるな、って思われませんか?

ク)そういう人もいるとは思います。

コ)生意気な奴と思われるのが嫌で、何も言わないとどうなります?

ク)会社側と現場がどんどん離れていきますね。

コ)それはまずいですね。

ク)本当に。実際そうだと思います。このままエスカレートしなきゃいいんですけど。

コ)○○さんが何も言わなければ、起こりえますね。

ク)いや~、しびれますね。はっきり伝えるのは。やはりこわいです。

コ)こわいですか?何がこわい?クビにされるとか?

ク)いや、そこまでではないですけど。クビまでは。確かに、何がこわいんだろう。

コ)単純に、その意見を伝えることで、テーブルがひっくり返るのがこわいんじゃないですか?

ク)そうですね。会議という形態ではあっても、もう上層部でほとんど決めたことだろうから、って

  どこかで諦めてたかもしれません。

コ)そのままでい続けたら、どうなりますか?

ク)会社と現場がどんどん離れていきますね。そうしていると、きっとお客様も離れていくんだろうな。

コ)会社に提言するのと、会社と現場が離れていくこと、お客様が離れていくこと、どちらがこわいですか?

ク)、、、、、、。そうですね。ちゃんと言わなくちゃいけませんね。

コ)本質を突く、というのは、とてもパワーと勇気が必要ですからね。

ク)本当にそうなんですよね!!!!!なんで、私がやらなきゃいけないの!?って思っちゃいます。

コ)気付いている人の役割だから。

ク)って、ことですよね。

コ)以前はチーム力を強化する、っていうのが○○さんのリーダーシップスタイルでしたけど、

  今は「本質を突く」という役割に変わりつつあるんじゃないですか?

ク)まったくその通りなんです。思い当たるところが数々あります。

コ)会社にとって耳の痛いことを伝える、(議論の)テーブルが引っくり返るような発言をする、

  というのは勇気がいるものですよね。ですが、その足元には守るべき部下がいる、お客様がいる、

  ということなら、会社にとっての「本質」を突いている、となるはずです。

ク)まったくおっしゃる通りですね。

コ)どうしますか?

ク)いやーーーーー、すごい汗が出てきますね。

コ)ですよね。分かります。ちなみに、同じように感じている人は他にいませんでしたか?

ク)先ほど話した「自分の言葉で意見を言ってるな」と感じた人は同じように感じてると思います。

コ)その人と一度話してみたらいかがですか?

ク)それは、直ぐにでもできます!というか、やりたいです!っていうか、やらなきゃいけないと思います。

コ)良いですね!!仲間を見つける、というのが○○さんらしい動き方ですね。

リーダーシップスタイルで言うと、

気付く視点は「本質を突く型」のリーダーシップですが、動き方は以前の「チーム力強化型」ですね。

ク)確かに、それが一番、動きやすいんです。まずは彼に連絡をしてみます。そうして、仲間を一人でも増やしていけばいいんですね!

コ)○○さんらしいイキイキした感じが戻ってきましたね。リーダーシップのスタイルが変わることはあるので、

  両方を上手く使っていったら良いですね。流行の「二刀流」ですね!

ク)それで、いいんだ、って安心しました。ありがとうございました。

 

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その後、彼女は仲間を見つけ、上層部と気軽に話せる場(パワーランチ)を設定し、

自分たちの考えをざっくばらんに話したそうです。

 

そして、その半年後には、会社の要となる部署の責任者として抜擢されました。

会社にとって耳が痛いことを提言するのはこわいことかもしれません。

それが、旧態依然の企業であればなおさらのこと。

ですが、時代はどんどん変わっていきます。

以前の常識が非常識になっていきます。

今までのやり方が通用しなくなっている中で、「本質を突く」という役割は

実はどの会社も求めているリーダシップ像でもあります。

まさに「時代に合わせて」目覚めてたリーダーシップスタイルなのかもしれませんね。

 

今までの自分のスタイルが全てと固執せず、自分の中の多様な自分を生かして

色々なリーダーシップスタイルを実践していけたら、多くの人の力となると思います。

 

長文、読んで頂き、ありがとうございました。

 

感謝を込めて。

【コーチング事例②】会議がこわい ~不必要になった「思い込み」からの解放~

 

 

クライアント様の許可を得て、個人情報の守秘義務を遵守し、

出来る範囲でコーチングの事例を紹介していきたいと思います。

 

二回目の今日は「会議がこわい」です。

 

会議がこわいと思ったことがある人は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?

 

会議というのは、普段、顔を合わせているメンバーだけでなく、

いつもと違った人が集まったり、直属の上司以外の管理職が参加することがあるかもしれません。

 

なんとなく、背筋が伸びる気持ちになったり、緊張したりするものですよね。

 

背筋が伸びる程度なら、良いのですが、

緊張のあまり、本来の自分でいられなくなり、自分を小さくしてしまったり、

あるいは、自分を大きく見せてしまったり、、、

 

誰にでも起こりうる悩みとも言えます。

 

 

「会議がこわいんです。」と相談してきたのは、

誰もが知るような大手外資系企業(専門性を要するメーカー企業)

で部長クラスの女性管理職です。

 

ここで、驚かれる方がいらっしゃるかもしれません。

 

え?部長クラスで会議がこわい、なんて!!と。

 

実は、そんなものなのです。

 

人生の課題というのは、同じテーマが繰り返しやってくるものです。

業(ごう)とか因縁と呼ぶ方がしっくりくるかもしれません。

 

そんな繰り返し立ちはだかる壁を繰り返し乗り越えていく。

まるで、螺旋階段を上っているように同じテーマをぐるぐると登っていく。

そのようにしながら、精神的に成長し人間力が高まっていくのです。

 

そんな前提を踏まえて頂き、コーチングの内容を一部抜粋させて頂きます。

 

以下より、ク)はクライアント、コ)はコーチの略称になります。

 

 

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コ)今日はどんなテーマでお話しますか?

 

ク)実は会議がこわいと感じているんです。

 

コ)どんなときにこわいと感じるんですか?

 

ク)特に感じるのは、私の知らない専門用語が飛び交っていると、かなり焦りますね。

 

コ)○○さんのお仕事で、全ての専門用語を把握するのは至難の業ですよね?

 

ク)そうなんです!分かっているんですが、どうしても全てを把握しておきたい気持ちが沸いてきて。

 

コ)全てを把握しておく、というのは可能なんですか?

 

ク)・・・・・相当、勉強しなければならないですね。

  実際、会議が終わった後、分からなかった用語を必死に調べたりもしてます。

 

コ)その勉強を続けるのは、可能なんですか?

 

ク)・・・・・可能かもしれませんが、無駄、ですね。

 

コ)無駄とは?

 

ク)専門的に仕事をしているメンバーに任せておいたら良い範囲もあるので。

 

コ)それでも、知らない専門用語が出ると、焦っちゃいますか?

 

ク)・・・・・そうですね。なんなんでしょうね。頭では分かっているのに。会議では、その瞬間がくると、急に背中から汗が出てきて、、、

 

コ)その瞬間について、詳しく話して頂けますか?

 

 

ク)専門用語が飛び交い始めると、話の内容が分からなくなるんじゃないか、と恐怖に感じるんです。

  あとで、部下に相談されても答えられない自分を想像してしまって。

 

コ)そのとき、どんな気持ちがしますか?

 

ク)すごく焦っています。上司なんだから全てを把握していなければならない、って思ってるので。

 

コ)上司として?

 

ク)・・・・・いや、人として、かもしれません。ずっと、誰よりも優秀でなければならない、と思って生きてきたので。

 

コ)そのままでマネジメントしていくとどうなりそうですか?

 

ク)・・・・・とても苦しいですね。周りの人はみんなライバルのように感じて。息がつまりそうです。ずっと戦ってる感じです。

 

コ)自分自身はどんな存在になっていますか?

 

ク)・・・・・なんか、ずっと戦ってきましたね。女武士みたいな感じです。

  なんで戦ってきたんだろう。私達の世代は男尊女卑が当たり前の中で仕事してきて、

  女性の権利を獲得してきた歴史がある。

 

コ)そうすると、世界は「男尊女卑」だ、という感覚が未だに残っている?

 

ク)そうですね。いまだにそれを引きずっているのかもしれません。

  今は、外資ですし、ジェンダー平等にはとてもうるさい会社ですから、

  そんなことないんですけどね。

 

コ)誰よりも優秀でなければならない、女武士のように戦わなければならない、

  なぜならこの世は「男尊女卑」だから、という感じでしょうか?

 

ク)うわっ、すごく嫌ですね。それ。

 

コ)嫌、って感覚、すごく良いと思います。

それらは不必要になった「思い込み」ですよね。

そうしたら、どんな風に変わったら良いと思います。

 

ク)まずは男尊女卑ではなくなっている。多様性の時代、ジェンダー平等の時代ですから。

  多様性、、、だから、やっぱり多様な中で共創するんだと思います。

 

コ)そうですね!!そもそも会議の目的はそこなはずですよね!

 

ク)そうなんです!!本当は共創すべきだったんです。

  だけど、空気的には誰が一番賢いか、みたいな競争になってた。

 

コ)それを変えたいんですよね。

 

ク)はい!変えたいです。誰よりも優秀でなくても良いですよね。

  周りの人が本当に優秀な人たちばかりなんですから。

  特に私の部下は本当に凄い人たちばかりなんですよ。

 

コ)凄い人たち!って感動できる心、それは大事にしたいですね。

 

ク)いや、本当に。外資っていうのもあると思うんですが、

うちの会社って、隠れた凄い人たちがいっぱいいるんですよ。

あ、また見つけた!って毎日のように思う。優秀な人材ばかりです。

 

コ)それ、○○さんの強みだと思いますよ。その発見した凄い人たちを

  繋げるのが○○さんの役割なんじゃないですか?

 

ク)ああ~!!それ、まさに私のやりたいことだし、

  うまくいってるときは、ずっとそればっかりやってました。

  人と人を繋げる、それはすごく大事な仕事ですよね。

 

コ)戦う必要もなくなりましたね。女武士の役割も手放せそうですか?

 

ク)いや、手放したいです。戦うモードになった途端、辛いですし、仕事が回らなくなる。

 

コ)直感なんですが、この会社をひとつの生き物だとして、

○○さんの役割は「血液」なんじゃないかと思うんです。

身体(組織)中を巡って、色んな人のコンディションや能力を発見して感動して、

時には、繋げていく。

 

ク)ああ!まさにそれ!!いいですね!!

  私は血液なんだから、動いていた方が良いんだ。昔は頭脳でしたけど、今は血液。

  頭脳の部分は、他の人たちにお任せしてしまったほうが、全体として上手く回る。

  そういうことですね!!

 

コ)○○さんの本来の役割に気付けて、本領発揮できそうですね。

 

ク)ありがとうございます!!

  これからは競争ではなく、共創していける気がします。

  私は血液のくせに頭脳をうらやましいと思っていたのかもしれません。

  会議は情報収集するための場と割り切って、本来の役割をきっちりやりたいです。

 

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その後、次のセッションで会議がこわいと感じるときがあっても、一呼吸置いて、

自分の役割を認識すると立ち戻れると話してくれました。

 

「会議がこわい」と告白してくれたクライアント様。

これは、誰にでも大なり小なり経験のある気持ちだと思います。

 

古くなった思い込みや価値観を新しいものに置き換えていく、

そうすることで、楽になった事例でした。

 

彼女の場合、不必要になった「思い込み」は

「誰よりも優秀でなければならない、女武士のように戦わなければならない、なぜならこの世は「男尊女卑」だから」というものでした。

 

時代が変わったはずなのに、心が昔のように反応してしまう、

というのは、よくあることです。

 

一番大事なのは、それに気付くことです。

気付いて、それは「嫌だ」と感じることです。

その思いが、新しい自分へと変えるエネルギーになるのです。

 

ちなみにこの女性は当時、50代でした。人は何歳からでも変わることができますね。

 

他にもよくある「思い込み」の代表例として、

・完璧にやらなければいけない ・誰よりも賢くなければならない ・出世のためにもやらなければならない ・周りの奴は頼りに出来ないから自分で何とかしなければならない ・会社の上司のいうことは絶対である ・自分よりも会社(上司)を大事にしなければならない ・誰からも好かれなければならない ・みんなの話を聞かなければならない 等々

といったものがあります。

 

古くなったり、不必要になった「思い込み」に気付くには、こんな問いが役に立つかもしれません。

 

・その考えを持つことで、力や栄養になっていますか?

 

・その考えを持つことで、自然体のありのままの自分でいられず、

自分を大きくしたり、小さくしたりしていませんか?

 

自分らしく仕事ができない、本領を発揮できていないように感じる、

そんなとき、不必要になった「思い込み」を抱えていないか、今一度、自分と向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

長文、読んで頂きありがとうございました。

 

感謝を込めて。

【コーチング事例①】比喩表現のダイナミックさ

 

クライアント様の許可を得て、個人情報の守秘義務を遵守し、

出来る範囲でコーチングの事例を紹介していきたいと思います。

 

一回目の今日は「比喩表現のダイナミックさ」です。

 

比喩表現、というとどんなことを思い出すでしょう?

短歌や俳句、ポエム(詩)などが浮かんでくるかもしれません。

 

実は、コーチングでは比喩表現を良く使います。

 

比喩表現を使うことで、現実から一歩引いて、

俯瞰して冷静に現実を見られる、といったメリットがあります。

 

そういったメリットがありながらも、

比喩表現は、コーチングが苦手という人の理由のひとつでもあります。

 

おそらく、現実離れしていて、

地に足が着いていないように感じるのかもしれません。

 

比喩表現を現実に落とす、というのは、

コーチングの大事なポイントでもあるわけです。

 

ここからは、実際のコーチングの流れを記載していきます。

 

クライアントは30代女性で数人のメンバーを持つ現場リーダーです。

最近、チームメンバーとの関係がうまくいっていない、というのがテーマです。

以下、ク)クライアント、コ)コーチである私、と表記します。

 

 

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コ)メンバーとうまくいっていないとは、具体的にはどんな状況ですか?

 

ク)なんか私だけが頑張っていて、振り返ったら誰も着いてきてないように感じる、というか、、、

 

コ)いつのまにか一人で進んでた、ような?

 

ク)そうですね。振り返ったら、随分遠く、後ろの方にメンバーがいた、

 という感じで、私もつい、イライラしてしまいます。

 

コ)イライラしてしまうと、何も言ったりしなくても、みんなが引いていく、

気付いたら○○さんだけが頑張っているという感じですか?

 

ク)いや、つい口も出していると思います。

 

コ)針でチクチク刺すように口を出してしまいますか?

 

ク)いや、もっと強いもの、刀とかナイフとか持っていそうです。

 

コ)その刀とかナイフをどんな風に使っていますか?

 

ク)たぶん、メンバーに向けている、というよりも、

  進んでいく道が荒れていて、雑草とかがすごく生えていて、

  それをかき分けるのに、必要な感じです。

 

コ)その雑草等の道をさえぎるものは何なんでしょう?

 

ク)組織のしがらみ、上司やお客様との交渉、前に進むための調整の類いでしょうか。

 

コ)そういったことと戦っていたんですね。刀をメンバーに向けていたわけではなくて。

 

ク)でも、きっと刀を持ってる、というだけで怖がられてると思うんですよね。

  だからといって、刀は捨てられない。戦う相手が多くて。どうしたら良いんだろう。

 

コ)メンバーとうまくいっているときもありましたよね?

  上手くいっているときは、今とどんな風に違いますか?

 

ク)まず、刀は持ってませんでした。

  もっと、優しいもの。お菓子とかパンとかが入ったカゴを持って、

  みんなに配っている感じです。

 

コ)配っているお菓子とかパンというのは何ですか?

 

ク)実際に、お疲れ様の気持ちを込めて、お菓子を差し入れしたりしてました。

  それだけじゃなくて、ねぎらいの言葉をかけたり、褒めたり、感謝を伝えたり、

  そんなことをしてる感じですね。

 

コ)刀の代わりにカゴを持つというのはどうですか?

 

ク)(しばらく考えてから)それは難しいです。戦わなきゃいけないから。

 

コ)刀は捨てられないんですね。両方持ったままでいるとどうなりますか?

 

ク)今、まさにそんな感じです!!私、こわい人になってますね!!

 

コ)どうしたいですか?

 

ク)刀は捨てたいけど、持ってないと不安だし、どうしましょう。

 

コ)なにか他の物に変えてみるというのはどうでしょうか?

 

ク)(しばらく考えてから)なんか、旗、というのが浮かんできました。

  バスガイドさんが持っているような。

 

コ)旗を持っていると、メンバーの反応はどんな風に違いますか?

 

ク)まず、こわくはないと思います。それから、着いていかなきゃ、って思いますね。

  時々、お菓子とかパンとかもらえて嬉しい。

 

コ)遠足みたいに楽しくなりましたね。

 

ク)遠足!!良いですね。でも、雑草はどうやって除去すれば良いのだろう。

 

コ)そもそも雑草って、刀を振り回すほどたくさん生えているんですか?

 

ク)以前よりは少なくなってますけど、進んでいくためにはかき分けないといけないな、と。

 

コ)旗ではできない?

 

ク)いや、雑草(しがらみ)をかき分けることも一部のメンバーとなら一緒にできるかもしれません。

  旗で、できると思います。

 

コ)旗でやる、というのは、具体的にはどういうことですか?

 

ク)旗は道しるべというか、ゴールを目指すための目印ですが、

  ときには指示もできるんです。スポーツの審判が持っているような。

  だから、雑草(しがらみ)をかき分けるのも、

周りの人に手伝ってもらうようお願いする、というのは出来ると思います。

 

コ)最初は一人でグングン進んでいたのが、随分変わりましたね。

 

ク)本当ですね。もっと周りに頼ればいいんですね!!遠足みたいに楽しみになってきました!

 

 

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比喩表現を使うことで、言いにくいことを表現しやすくなるのはもちろんですが、

思いもよらないような、解決の糸口がつかめることがあります。

 

そこに比喩表現のダイナミックさがあるわけです。

 

ポイントは、比喩表現を使ったあと、必ず現実に落としていくことです。

 

長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。

 

感謝を込めて