今月(6/5~7/6)は甲午月です。
木性で陽の十干「甲(こうぼく)」と、
火性で陽の十二支「午(うまび)」が
組み合わさった干支です。
甲は大木、樹木を表し、
午は太陽や巨火、季節では真夏を表します。
そのため、甲午は「熱せられた真夏の樹木」
というイメージです。
甲午月のポイントは以下の通りです。
◆無限の可能性への出発点
「甲」は十干のスタートを司り、
「草木の芽が殻を破って頭を出した象形文字」であり、
「旧体制が破れて革新が始まる」という意味になります。
一方「午」は、南方、陽の火性で季節は真夏です。
また、午には「逆らう」という意味もあり、
陽の気が下から突き上げて表に出ようとしている姿を現わしています。
これらのことから、甲午月は、今までの常識を打ち破って、
革新的な動きを意識することがポイントとなります。
硬い殻を破って、
エネルギーが大地から一気に天に向かって噴き出すような、
これまでの古い捉え方を捨て、新しい価値を創造していく月、
と意識すると良いでしょう。
しかも、かなり激しい変化になりそうです。
今までのスタンダードが終息を迎え、
長く続いたことはピークが過ぎ、衰退し始める傾向が強く出てきます。
それに代わった新たな価値観が台頭していくようになります。
この流れにビジネスモデルも個人の生き方も合わせていく必要があります。
世の中を見た時、今、まさに時代が変わろうとしています。
いえ、すでに大きく変わってしまったという方が適切かもしれません。
甲午には、福徳倍加といって財運が潜在していますので、
恐れず流れに身を委ね、他者にお尽くしすることで運気の上昇となります。
自分の利益やエゴを手放し、自分を他者に対して使うこと、
より多くの人にお尽くしすることで、福徳倍加が開花します。
それが、「世の中にまだない価値を生み出していく」ということであれば、
さらに甲午のエネルギーを活かしていくことができるでしょう。
◆他者のために尽くすことで運気があがる月
今月は、とにかく他者にお尽くしすることで、運気があがります。
しかしながら、同時にパートナーや身近な人たちとの間で反目反発が起こりやすい、
という矛盾もあり、注意が必要になります。
反目反発とは、立場の違い、見てる世界の相違、多様な価値基準、
といったものがきっかけとなり、
すれ違いや分かり合えない結果を生み出してしまいます。
たとえ目的が一緒だったとしても。
ここで大切にしたいことは、格差をつけたり、
差別区別をしない視点・感覚を持つことです。
自分を守らなければ、という守備本能が働くと、
つい敵か味方かに分けたくなります。
自分の考えが正しい、と固執してしまうと、
つい違った意見に対して、間違っている、と感じてしまうものです。
まずは、自分の「正しさ」を手放して、
自分の世界の中での「善悪」をも手放すことです。
一言で「手放す」と言っても、
それは、なかなか難しいことのように感じるかもしれません。
ですが、自分の正しさや善悪の価値判断を手放してみると、
周囲の人に対してだけでなく、自分に対しても寛容寛大になれるものです。
思わず反目してしまっていた相手のことが
今までとは違って見えてきたり、
今まで許せなかった自分の一部分に寛容になり、
新たな物事の見方・感じ方ができるようになるかもしれません。
そのようにして、規定の枠を壊し、
新たな可能性を見ることができるようになるのです。
世界平和は家庭平和から。
家庭平和は自身の心の平和からなのです。
◆知識、見識、胆識
前述でも触れましたが、甲午は「熱せられた真夏の樹木」です。
真夏の樹木に必要不可欠なものといえば、「水」です。
しかも、熱せられた真夏ですから、その「水」は
やはり、真夏のスコールのような雨であると理想的なのです。
この学問で「水」は知徳本能を指します。
つまり、学問、勉強です。
大人になってからの学問とはどんなものでしょう。
帝王学では現実社会を生きていくために、
「知識、見識、胆識の」三識の大切さを説いています。
「知識」とは、それぞれが生業としている分野の専門知識に加えて、
政治と経済の知識のことを言います。
そして、心の次元を高めるための「知恵」も含まれます。
知恵とは「恵まれしを知る」事です。
すなわち「自分の足元にある、恵まれている事に気づく」事です。
身近にある宝の存在に気づく事、それこそが知恵なのです。
奇抜なアイデアや企画だけではどうしようもなく、
自分の足元に既にあった貴重な宝に気づき、実際に活用することで、
活かされるのです。
「見識」とは、物事の本質を見通す優れた判断力のことです。
複雑に入り組んだ現実社会の問題を解決するためには、
必要不可欠なものです。
それぞれの人生体験を通して得た知識と知恵が、
その人の人格、品性を通して「見識」となり、直感が冴えるようになります。
「胆識」とは、ものごとを実行するうえでいかに腹が据わっているか、
度胸が据わっているかです。まさに、「肝が据わる」という感じです。
これら三識を含めた人類の叡智を、いかに他者のために使うのか?
他者に尽くしてこその「甲午」ですから、
水(学)を得たら、周囲にその恵みを流すことで運気がますます上がっていきます。
以上、甲午月のみで見たポイントです。
ご自身の天中殺や運気など、
個人の宿命によってテーマは変わってきますが、
これらを心に置いてよりよい在り方の参考にして頂けますと幸いです。
長文お付き合い下さり、ありがとうございます。
感謝を込めて
※掲載にあたっては、お師匠様の許可を得ているものです。