今月(3/5~4/3)は、辛卯月です。
金性で陰の十干「辛(しんきん)」と、
木性で陰の十二支「卯(うぼく)」が
組み合わさった干支です。
辛は小石、宝石を表し、
卯は草花、蔦、苔を、季節では仲春(旺春)を表します。
そのため、辛卯は「鋭利に輝く春の宝石」というイメージです。
辛卯月のポイントは以下の通りです。
◆自立創家の機運
辛卯は、草木(卯)の根が、鋭い小石・宝石(辛)で切られている状態です。
草の根が芽を出そうとしても小石が邪魔になって芽を出せないことから、
親や上司に頼らず、自らが初代(創設者)となる生き方を良しとします。
先月(庚寅)からの新時代のスタート期を経て、
いよいよ自ら始めていくのに最適な、
草木にとってまさに春の極みを謳歌する時期の到来となります。
しかし、せっかくの春ではありますが、
今月は自立創家の運気、つまり初代運ですから、
目上(親・上司・先達)に頼らず自力で立ち上がらなければなりません。
それは、人によっては、とても厳しく険しい道のように感じるかもしれません。
目上に頼り難いというのは、なんとも心細い気持ちになるかもしれません。
しかし、目上の力を借りずとも、自らの力で立ち上がらんとしたとき、
本当に自分自身の力で人生が動き始めるとも思うのです。
それは、人生の中で、とても心地の良い瞬間になるかもしれません。
さて、そうはいっても自分一人では限られた範囲でしか考えられないものです。
自分が知っている領域の、
局所的な視点、狭い視野、低い視座では心もとありません。
そんなときは、あらゆる視座を持って、
あらゆる立場から物事を考えてみてはいかがでしょうか?
経営者の視点、男性の視点、女性の視点、夫の視点、妻の視点、子供の視点、
40代主婦の視点、50代管理職の視点、後期高齢者の視点、億万長者の視点等々。
自分自身の体験・経験は限られていますが、
あらゆる人の立場に立って考えてみると、
思いもよらなかったアイデアが浮かんできたり、
新しい時代を生きるヒントが浮かんくるかもしれません。
◆お人好しのその先へ
今月は、何故か人に頼られる、人の相談にのることが増える、
あるいは、人からこっそり秘密を明かされる、
といったことが増えるかもしれません。
そのようなときは、とにかく、
損得を考えずに目の前の人の心の声に耳を傾けてみましょう。
辛卯月は自分の事は置いておいても人の面倒をみることで運気を味方にします。
先ほども記述したとおり、目上には頼り難い運気ではありますが、
逆に、何故か、人に頼られ、人が集まってくる、
という運気も持ち合わせています。
それは、あなたの魅力に惹かれて、頼って集まってくる方達なのです。
どんなに、メリットがないと感じるような相手であっても、
ここは誠心誠意を込めて、お世話をし、お尽くしするべきです。
たとえ、後々、だまされたり、裏切りにあったとしても、
それでも、相手にお尽くししたという徳は積み上がっていくものなのです。
我がごとは後に回し、目の前の人にお尽くしする姿は、
誰が何を言わなくても、必ずどこかで誰かが見ているものなのです。
しかし、本当に気をつけなければならないのは、
自分では相手の為を思ってやっていることが、
かえって相手を傷つけてしまう、という時なのです。
相手の為と思いながら、実は自分本位であったり、
限度を超える関わりであったりすると、
かえって相手を傷つけることにもなりうるからです。
善意からの行動であったとしても、正しいことを伝えたとしても、
相手の立場に立ち、その不安と痛みに寄り添わなければ、
ただの自己満足になってしまいます。
そうならないためにも、
やはり、ここでも目の前の方の立場を考えて、
その方の背景に想いを馳せて、慎重に丁寧に言葉を紡ぐことです。
たとえ、その言葉が芯をつくものでなかったとしても、
誠実に真摯に関わらんとする、あなたの姿勢そのものに
心が響くことがあるのです。
ポイントは、解決策をだすことではなく、
どれだけ相手のことを考えているか、ということなのです。
さらに聡明な辛らしさを発揮するならば、
自分自身を俯瞰してみる、もうひとつの視点を持ってみてはいかがでしょうか?
自分自身を第3者の視点で見てみるのです。
そのようにしてみると、
その行為が本当に相手のためにやっているのか、
どこか自分のエゴでやっているのか、が分かるかもしれません。
凛として、心配りのできるお人好しは、人を惹きつけ、
人の心を掴み、やがて人を巻き込み、大きな推進力となることでしょう。
◆一流のものへの物欲が増してしまう
今月は辛卯月ですが、あらためて、辛(しんきん)は宝石です。
今月は、何故か、一流の物を身につけたくなる気持ちになるかもしれません。
それは、宝石とは限らず、ブランド物のバッグや時計、
洋服といったあらゆる物に気持ちがいってしまう可能性があります。
世間で3月というのは、
一年の締めくくりにあたる年度末とされていることも多いですね。
そのような時に、一年間頑張った自分へのご褒美として、
極上の物を1点だけ購入する、というのは、とても微笑ましく感じるものです。
ですが、今月注意頂きたいのが、いくつもの一流の物に目がいきやすい、
という点なのです。
一流の物も、一点豪華主義のように、密かに楽しむ程度なら問題ありませんが、
複数となると、バランスをとるのは難しくなるものです。
複数の一流の物を品良く着こなすには、それなりのセンスと経験が必要かと思われます。
一人の人の中に個性の強い物、自己主張する物が複数上塗りされているような感じです。
複数の一流品に目がくらんでしまったとしても、
そこはどうか1点に的を絞ること。
そして、辛の宝石は、自分自身であることを思い出してみてください。
宝石であるあなたに、複数の一流品の上塗りは必要ないのです。
以上、辛卯月のみで見たポイントです。
ご自身の天中殺や運気など、
個人の宿命によってテーマは変わってきますが、
これらをより良く生きる在り方の参考にしていただけますと幸いです。
※掲載にあたっては、お師匠様の許可を頂いているものです。
長文、読んでくださり、ありがとうございました。
感謝を込めて