今年(2022年2月4日~2023年2月3日)は壬寅年です。
今年の始まりの月、2月4日からスタートした今月も「壬寅」月です。
また、2月18日は「壬寅」日です。
物事の始まりと言われる「壬寅」がこれだけ集まるのは、
2019年から始まった大きな変転変化の3年間を経て、
いよいよ新しい時代の始まりを意味しているようです。
今、世界の常識がコロナ禍によって覆され、
新しい生き方、働き方が主流になりつつあります。
その過程では、傷つき痛みを感じた体験もあったことと思います。
昨年は見え始めた希望の光の方向に、徐々に歩みを進め、
今年、さらにその光を確実なものとする、
そんな年になることと思います。
それには、どんな心がけが必要になってくるのか、
さて、改めて、今年を見ていきます。
水性で陽の十干「壬(じんすい)」と、
木性で陽の十二支「寅(とらぼく)」が
組み合わさった干支です。
壬は大海、大湖を表し、寅は初春を表します。
そのため、壬寅は「春の海」 というイメージです。
壬寅年のポイントは以下の通りです。
◆純粋さ、美しさ、暖かさがキーワードに!
昨年、2021年2月4日~2022年2月3日は辛丑年でした。
「辛丑」は雪の下から伸び始めた新芽の状態です。
やわらかな新芽は雪の重みでどうしても曲がってしまい、
伸び悩んでいる状態なのです。
矛盾やしがらみを排除して、まっすぐに伸びていくように、
方向を示し束ねていくよう、導く年でした。
今年2022年2月4日から始まった「壬寅」年は
その新芽をさらに育んでいく年となります。
壬寅は春の海ですから、徐々に温かくなっていきます。
まだまだ冷たさが残り、さらに雪解けの泥の混じった
少し濁った水なのです。
このままでは新芽は腐ってしまいます。
水をキレイにろ過し、あたためなければなりません。
そして、その手間を惜しんではならないのです。
水を綺麗にろ過するとは、
文字通り、綺麗に生きることです。
純粋な意識を持って、美しい言葉を使って過ごすこと。
ズルくて汚いことを考えたり、やったりしないことです。
水をあたためるということは、
穏やかな初春のように、おおらかに穏やかに
優しく存在する、と意識することです。
万物を育む大いなる海の存在がごとく、
どーんと大きく構えていきましょう。
◆「流動」!水を流す意識を!
壬寅は別名「北虎(ほっこ)」。
学問書には次のような記載があります。
「醍湖(だいこ:如来の最上級の教え)に目が覚めた海や湖を意す。
万物胎動す。新しき出発の意あり。人の間においては雪解けとす。
こころは寛なり。」
万物胎動す。とはあらゆる物事が新しく生まれ変わる、ということ。
新しく生まれ変わるとき、ではありますが、
壬寅は春の海、雪解けの水ですから、汚れはよくありません。
前述の綺麗な言葉を使うこと、綺麗な生き方をすることは大前提において、
もうひとつ、「流動」を意識することが重要になります。
流動とは文字通り、水を流すことです。
流れに身を任せ、常に動いている状態です。
時代の流れに合わせ、変えるべきは大胆に変え、
過去の成功体験、古い慣習やしがらみに縛られないことです。
ですが、過去に例のないことに踏み切るときは、とても勇気が必要です。
そんなとき助けになるのは絵画や音楽、美しい景色といった
「非言語」の世界です。
今までにない新しい本質的なことは言語化されていないものです。
言葉が与えられていない、その世界に足を踏み入れて、感じとるのです。
そこから生み出された新しい価値観は、
次の時代に明るい光を見いだしてくれるでしょう。
物事を大胆に本質的に変えるには、人智を超えるような
「直感」を信じることで道が開かれていくのです。
◆「和を以て貴しとなす」を地で生きる
前述の学問書からの抜粋で、
「人の間においては雪解けとす。こころは寛なり」
とあります。
「寅」は演(えん)に通じ、伸びる・進むという意味も含まれています。
これは、人が軒下で向かい合い、手を差し伸べ協力し合うことを誓う様を表しています。
一方、「壬」は妊(じん)で、陰陽が交じり合って、物事が懐妊すると意味します。
まさに今、新たなる何かが生まれようとしているのです。
物事の始まりは、いろいろな問題が内に生じてしまうものです。
壬は任(たも)ち養う作用をも表し、事にあたる人々が任(にん)に耐えて、
事態を好転させるべき事を意味しています。
実は壬寅はパワフルな干支で、
単独、つまり一人でも現実を変えていく力を秘めています。
ですが、今年は、そのパワーを生かすのではなく、
仲間と協力し合って事態を好転させていくことが求められているのです。
和合強調を意識し、実践した人たちが大きく飛躍する年となるでしょう。
以上、壬寅年で見たポイントです。
ご自身の天中殺や運気など、個人の宿命によってテーマは変わってきますが、
これらを心に置いてよりよい生き方・在り方の参考にして頂けますと幸いです。
※掲載にあたってはお師匠様の許可を頂いているものです。
長文お付き合い下さり、ありがとうございます。
感謝を込めて